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紹興貴酒が飲めるお店
撮影後記 第4回:紹興
紹興はどこか京都に似た風情のようなものがあった。中国の中では珍しく古い街が残っているのもうれしい。小川に沿って古い民家が並ぶ西小路は特に私の眼を止めた。小さい頃に育った飛騨高山の街並とも少し似ていて、一軒一軒の店にもなつかしさと幼い頃に見た店構えがあった。路に沿って数百年前の大きな敷石があり、ゆっくり歩いていると古い時間が戻ってくるようだ。
幼い頃を思い出しながらふと遠くを見ると山の上に高い塔のある寺院が見えた。周りを山に囲まれているため、歴史の深さと街の品格のようなものさえ伝わってくる。ご存知のようにこの街は紹興酒のおいしいところでもある。地元のお酒の看板も街のあちこちに見ることができる。この街で飲む紹興貴酒は酔いも格別、心地いい。
それにあの有名な“魯迅”が生まれたところでもある。この記念館には日本で出版された本も数多く展示されていた。この紹興は中国の中では小さな都市になる。ほどよい大きさなので街を歩いていても京都を歩いているような気分のよくなる時間だった。高い建物が少ないと言うことも風景としてごくごく自然である。
ここ数年、近代化が進みどの都市も経済優先で高層建築によって華やいでいるが、この紹興はそういった意味では、まだかっての中国のやすらぎと懐かしさが残っている数少ない街でもある。
稲越功一
プロフィール
写真家 稲越功一 Koichi Inakoshi 1980年講談社出版文化賞受賞。国内、海外で多くの作品集を出版、展覧会を開催する。『男の肖像』『Ailleurs』『三大テノール日本公式写真集』『アジア視線』など作品集多数。2005年、松尾芭蕉生誕360周年記念企画として、『芭蕉の言葉』(佐佐木幸綱共著、淡交社刊)を出版、写真展『芭蕉の風景』(銀座・和光ホールにて)を開催。現在、NHK『新シルクロード』取材に参加中。
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