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美味なスープで煮込むフカヒレ料理 フカヒレ料理でまず思い浮かぶのは、醤油味でこっくり煮込まれた姿煮“紅焼排翅”だろうか。料理名の「紅焼」は醤油煮込みのことだが、実はこれ、上海料理の調理法。「慶楽」が標榜する広東料理では、他の料理同様にフカヒレもまた淡白な味つけが特長。そのままでは味のないフカヒレに、老鶏の丸鶏や中国ハムでとったスープ“上湯”を煮含ませ、醤油は風味付け程度に垂らすのが広東式だ。 「慶楽」は、このスープが旨い店である。お薦めは“フカヒレ土鍋煮込み”。乾物を多用する広東料理らしく干し貝柱もたっぷりで、濃厚なコクに陶然となる。別添えのもやし炒めと香菜を加えて味わえば、コラーゲンたっぷりなフカヒレのねっとりとした食感に貝柱の弾力、そしてもやしのシャキシャキと、三者が奏でる食感の妙も醍醐味である。 「慶楽」のフカヒレ料理では、ほかに“蟹黄魚翅(蟹の卵入りフカヒレ)”も見逃せない。こちらはたっぷり入った上海蟹の卵の色も鮮やかで、とろりと旨味が凝縮されたスープにフカヒレがたっぷり。気品ある味わいだ。 |
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![]() 「慶楽」の甕出し「陳年紹興貴酒」(5年もの) ・グラス700円 ・デカンタ(500ml)2500円・(250ml)1300円、 ・甕(1.8L)8000円。 |
客が選び、料理が選んだ「紹興貴酒」 そんな「慶楽」が選んだ紹興酒が、「紹興貴酒」である。現主人である區傳順(く・でんじゅん)料理長にその理由を聞くと、まず「旨い酒だから」の一言。次いで、「『紹興貴酒』は私が選んだというよりも、お客さんが選んだと言ったほうが正確だと思います」と続ける。 「慶楽」の創業は、昭和25年(1950)。以来、毎日通っても飽きず、また久しぶりに訪ねたならば変わらぬ旨さに感涙を覚える味を提供し続けてきた。決して揺らぐことのないおいしさ。これもまた「慶楽」の魅力であり、実力の確かさを物語っている。味わいだけではない。実際に、驚異的なアラカルト数を誇るグランドメニューも、ほとんど昔のままという。 しかし、その一方で、料理の相方である紹興酒だけは様々な銘柄が取り扱われ、変遷してきた。そして、いつしか常連客たちに支持される形で残ったのが「陳年紹興貴酒」(5年もの)の甕酒だったのである。「『紹興貴酒』は、もちろんそのまま飲んでおいしいお酒ですが、さらに料理を引き立ててくれます。広東料理は海、山、川……魚や肉、野菜など豊富な食材を使い、素材の滋味を生かす調理が基本です。そんな多彩な味を、『紹興貴酒』はしっかり受け止めてくれるのです」(區料理長)。 |
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通常メニューにない特別料理が味わえる ただ今開催中の「紹興貴酒フカヒレと季節のコース料理フェア」に、「慶楽」はふだんのグランドメニューにはのせていない特別料理中心のコースで参加。東京で半世紀以上の時を刻む、「慶楽」ならではの広東料理が堪能できると評判を呼んでいる。 「慶楽」特別コース料理の概要は、次の通り。まず、登場するのは“冷菜7種盛り合わせ”。自家製チャーシューや鶏レバーのパテ、酢漬け野菜など、酒のスターターとしてもうれしい一皿だ。そして、チャーシュー同様に炉に吊るして焼く広東式の“焼き鴨”、“魚の清蒸”“鶏と白きくらげの蒸しスープ”“豚肉と鶏レバーの重ね焼き”“蒸し伊勢海老のガーリックソースがけ”“フカヒレ土鍋煮込み”と続く。締めは、2日がかりで天然発酵させる“マーライコウ(中華風蒸しカステラ)”と“杏仁豆腐”。いずれ劣らぬ実直な味わいで、けれんみのない実力派だ。 「慶楽」では、豊富な食材の持ち味に上湯の旨味、さらに蒸すなどの調理が育む旨味を重ねて味を決める。上湯ベースの完成度の高い滋味は、白いご飯でわしわし食べるより、酒で受け止めつつじっくり味わいたい。「紹興貴酒」は、「慶楽」の料理が選んだ“好適酒”なのである。 |
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